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青と金にこだわった図録づくり。『絹谷幸二 色彩とイメージの旅』 | (株)毎日新聞社 事業本部 様

  • 2022年12月15日
  • 高精細印刷

絹谷幸二 色彩とイメージの旅_のとのお仕事用

みなさん“図録”というものをご存じですか? ときに「展示会パンフレット」と呼ばれるもので、美術展や博覧会といった“その展覧会”に関する情報が体系的に掲載されているものです。映画館で上映されるときに販売されているパンフレットのようなものといえばわかりやすいでしょうか。主に下記のような内容が掲載されていることが多いです。

  • 展覧会の主催者のコメント、開催の意図
  • 展覧会に展示された作品に関する情報や写真
  • 監修した学芸員の解説  などなど

アートや美術作品の実物の写真やその解説を一冊の紙媒体としてまとめたものが図録。アーティストや作家のファンにとっては展覧会で実物を鑑賞して、そのときの感動を思いだすために図録を購入するといった方も少なくありません!

いかに、作品本来の色味を図録の紙面に再現するかは苦労をともないますが、印刷会社にとってアーティスト/作家のこと、そのファンのことを想うとやり甲斐あふれるお仕事デス!

さて、『絹谷幸二 色彩とイメージの旅』の図録。作品の色味を忠実に再現することが、とてもチャレンジングだった思い出がある仕事のひとつです。

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作家: 絹谷幸二 氏
『日本の美術界において、第一線で活躍している作家の一人。東京芸術大学卒業後、イタリア留学によってアフレスコ(壁画技法)を深め、多彩な技法を駆使してエネルギー満ちあふれる独自の画風を確立。シュルレアリスムと抽象表現主義を総合したような画面構成に漫画的吹き出しを組み込む事で、現代的な具象画の探求を行う』 作家ホームページより抜粋  https://kinutani.jp/profile/
令和3年度の文化勲章を受章。

目的

エネルギー溢れる作品の色味・明度・彩度のみを再現するだけでなく感性的な要素まで図録の読み手にとどける

課題

●作家 絹谷氏の作品の特徴として、アフレスコ技法による色彩豊かで、エネルギー満ちあふれる画面になっており、いかに、その色味を紙面に再現するかがキーとなるポイント
● 絹谷氏の作品の多くに用いられる青色と金色の再現がポイント

アクション&ツール

●画像補正を行う弊社 画像処理チームの「プリンティングディレクター(PD)」と営業 堺と「絹谷幸二 天空美術館」を訪問、実際の作品を鑑賞し「ターゲット(狙いとする色味など)」を設定(まずは、作家の色味を脳内に焼き付ける)
●京都国立近代美術館の学芸員の方が「作家 絹谷氏のファンのために再現性の高い図録を」という強い思いから、作家 絹谷氏ご本人に色校正にお立ち会いいただきました!アーティストご本人および、担当する学芸員の方にサポートいただき、図録の製造プロセスである「画像補正・製版」「印刷・製本」ができたことは、心強い弊社の強み!

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作家さんや、学芸員さんの想いを反映すべく入念に画像処理チームが画像補正をおこないます。印刷前の大切なプロセス。(写真はイメージです)

弊社ではプリンティングディレクター(PD)を中心に、ベテランの画像処理オペレーター、印刷技能検定1級を7名がチームを組み、作家様の想いを画像処理、印刷に反映させております。熟練者が複数いる事で速やかな対応も可能となります。

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プリンティングディレクターの山崎さん。画像処理歴24年のベテラン。 魂は細部に宿ると言う言葉のとおり細部の色味調整までこだわります。

展覧会をつくりあげていく学芸員やキュレーターの方々のアドバイスを頂きつつ、作品の魅力を忠実にでるよう印刷加工することは苦労しますが(ターゲットとする写真のトーンがでないときは泣きたくなります)、完成したときの喜びはなかなか大きいお仕事。

高精細印刷と画像補正を突き詰めるプリンティングディレクターの力によって、高品質の図録づくりに貢献させていただきます。
ご用命をお待ちしています!

実施・納品時期:
※ 会社名・部署名などは取材および記事制作当時のものになります。

クライアント: (株)毎日新聞社 事業本部
アカウントプロデュース・営業:堺貴史(能登印刷 大阪営業部)
プリンティングディレクション:山崎 剛(能登印刷 制作部)

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