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特殊な形に思いを込めた「ブローシャ」│東京大学先端科学技術研究センター 地域共創リビングラボ 様

  • 2022年12月19日
  • 一般印刷

ブローシャ_のとのお仕事用

誰もが一度は「折り紙」で遊んだことがあると思います。一枚の紙から、鶴や動物など、たくさんのものに変身する「折り紙」は、折り方が数えきれないほどあり、とても奥深いものがあります。

今回は、そんな「折り」の面白さと「パンフレット」を融合した、開くだけでインパクトのある「ブローシャ」(※1)をご紹介します。

※1 「ブローシャ」とは、一般のパンフレットとは違い、より高質な紙を使い、多彩多様な色やデザインを使用した装飾的なパンフレットのことです。

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プロジェクトを紹介。パンフレットとしても活用する、
折りとデザインにこだわった「ブローシャ」。

東京大学先端科学技術研究センター(以下「先端研」)」様は、東京大学で最も新しい附置研究所。研究者や研究分野の多様性を特色とし、40にのぼる専門分野・部門名を冠した研究室が、理工系の先端研究と、社会科学やバリアフリーなど、社会システムに関わる研究を行っています。

東京大学 先端科学技術研究センター

東京大学と地域の連携は年々拡大中。それを共有・展開していく機能を担う「地域共創リビングラボ」が2018年に設立されました。

地域共創リビングラボ地域共創リビングラボのWebサイトです。

今回の「ブローシャ」は、そんな地方自治体や地域の皆様と連携しながら進めるさまざまなプロジェクトの一部を紹介。また、「先端研」様のパンフレットとしても活用するために制作されたものです。

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パンフレットといえば、本のように開く冊子タイプのもの、四つ折りのものを想像しますが、それではありきたりですよね。そんな多くの施設・学校・会社・お店に溢れるパンフレットとは違い、
もっと面白いものにしたい! 変わった形にしたい!
折り方を工夫したい! 個性を出したい!

といった声にお応えし「先端研」様の「連携から共創へ 地域と育む研究プロジェクト」年度報告書ブローシャを、弊社でデザインからお手伝いをさせていただきました。

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普通の冊子よりも、何かひとつ開くときに面白い動きがあると、手に取った人の記憶にも残りやすいはず。制作するにあたり、「先端研」様からの

  • リビングラボの体制が変わる節目の年なのでいつもと違う形にしたい
  • コロナの影響で活動が減ってしまい、活動報告などの情報が少ないため冊子ではなく折りパンフレットにしたい
  • 四つ折りや八つ折りなどではなく、デザイン性のあるものを作りたい

といったご要望を受け、弊社から、イメージをより具現化するために「特殊な折り方」のサンプルを4つご提案。

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開くと星形になるものや、一度開くと戻せなくなりそうなくらい複雑な折りのものなど、 弊社・能登印刷のデザインチーム全員で試行錯誤して折りサンプルを作りました!

実際に「先端研」様にも開き方を見ていただき、何度も打ち合わせを重ね、採用されたのが、東京の渋谷に本拠を構えるクリエイティブカンパニー「ロフトワーク」様の折りパンフレットを参考にさせていただいた六角形の形のものです。(参考元:「ロフトワーク」様の折りパンフレットはコチラ

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表紙から真ん中にかけての白い楕円は、地域共創リビングラボの 「多くの人が協議するときに囲むラウンドテーブル」をイメージしました

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開きやすく戻しやすいつくりになっています!

初めは小さな六角形ですが、上下の端を持って引っ張ると、ページが花のように一気に広がります。普通のパンフレットよりもインパクトがあり、思わぬ開き方に驚いたり、「面白い!」と感じたりと、見る人に強く印象に残るものになりました。

なお、この折り方は、「先端研」様の
「1つのプロジェクトに、様々な人が関わり、知恵を出し合って
参加協力する」というリビングラボの体質を
「1枚の紙が折り重なって形成されている」形状で表したい

という意図を表現したものとなっております。

また、「紙」にもこだわりがあり、

  • 折りたたむときに厚みがあまり出ない
  • 裂けづらい(切り込みが入っていたり、何重にも折りたたむので)
  • 印刷のノリが良くはっきりと発色する

といった条件を満たす、「オーパー」という弊社でも初めて使用する「特殊な紙」を採用。ツルツルし、少し硬めでしっかりしている、あまり触ったことのない質感となっています。

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提案時に使用された色々な紙のサンプルです。

さらに、デザインには、

  • 六角形の形に合わせて文字が読みやすいよう改行位置を意識して組む
  • 目線の流れを意識して写真や図や文章を配置する
  • 真ん中になるページを特別扱いせず、すべてのページの情報が均等になるようにページ割を考える

といった工夫を施して「先端研」様の思いを隅々までカタチにしました。

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制作時に実際に使用したデザイン案の数々

特殊な折りの「ブローシャ」は、冊子タイプよりも記憶に残りやすく、話題を喚起する効果が期待できます。今回の「ブローシャ」は「先端研」様のイベントなどで配布され、広く活用されています。

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六角形に沿って文章が組まれています

このように、弊社・能登印刷では「ありきたりじゃつまらない」「何か変わったことに挑戦したい!」といったお客様のご要望にも、スタッフ自身もワクワクしながら様々なアイデアをご提案・企画・デザインまでさせていただきます。

同じような六角形のパンフレットを作ってみたい、特殊な折り方のものを作ってみたいという方はもちろん、とにかく面白いことがやりたい! という方も、まずはお気軽にお問い合わせください。

営業:遠藤 唯(能登印刷 CS東京本部)
デザイン:吉本泰則/中林奈菜(能登印刷 メディアソリューション部)
クライアント:東京大学先端科学技術研究センター 地域共創リビングラボ 様
※ 会社名・部署名などは取材および記事制作当時のものになります。

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