建築の大きな図面(A2判)を「デジタルアーカイブ」化!│松任中川一政記念美術館
- 2024年5月15日
- デジタルアーカイブ
今回は、民間企業やメーカーの方からのご相談が多い、倉庫に長らく保管されていた大きな設計図等を、デジタル化させていただいた事例のひとつをご紹介します!
今回お手伝いさせていただいた「松任中川一政記念美術館」とは?
「松任中川一政記念美術館」は、石川県白山市にある美術館です。
☟「松任中川一政記念美術館」公式HP
https://www.hakusan-museum.jp/nakagawakinen/
日本洋画壇の巨匠で文化勲章受章者 中川一政(1893-1991)より作品の寄贈を受け、1986(昭和61)年10月に開館しました。
一政の母親が白山市(旧松任市)出身で、自身も幼い頃や青年期に母の郷里である松任に度々足を運び、また滞在したことから、石川県白山市に縁があったとか。
現在、「松任中川一政記念美術館」では、中川一政の絵画や書、陶器等の作品や関連資料など約520点と、著作本や装丁本等の図書資料約1,360点を収蔵しており、その中から常時およそ80点を、季節ごとにテーマを変えて公開しています。
ご発注いただいた経緯と抱えていたお悩み
その中で、
・「松任中川一政記念美術館」の建物の図面が青焼きしかない
・青焼きが老朽化し変色、保存状態が悪化している
・青焼きは大きな図版(A2判)で閲覧しづらい
※「青焼き」:単色で印刷する際、製版されたフィルムを青写真感光紙に焼き付けて作成する校正紙のこと。
といった課題・問題を抱えていらっしゃいました。
そこで弊社がご提案させていただいたのが、「デジタルアーカイブ」(文書デジタル化)です。
デジタルアーカイブとは?
「デジタルアーカイブ」とは、貴重な原本を綺麗に保存・保管しながら、その情報を簡単に共有し、スピーディに検索できるようにデータ化すること。
そのメリットとして挙げられるのが、
・すぐに閲覧・共有・検索できるため業務・作業を飛躍的に効率化できる
・古文書や歴史資料、ポジフィルム、重要書類など、貴重な文書や資料も傷をつけることなく非接触で保管が可能
・大きな資料でもスキャンでき、保管スペースを確保する必要がない
という点です。
簡単にまとめますと、いつでも、どこでも、誰でも、すぐに資料を利用することができるのです。
非接触型のフェイスアップスキャナ「Fine Scamera-1」を用いてのデジタル化
今回の「デジタルアーカイブ」では、大きな図面ということで非接触型のフェイスアップスキャナを使用。A2判の図面をA3判に縮小してスキャニングし、CDに保存納品しました。
このスキャナは
・1回のスキャニング可能な最大サイズが600mm×841mmとなり、大きな
サイズの原稿にも対応している。
・600dpiという高い光学解像度で、原稿の凹凸・陰影やマチエール(絵肌)
まで精密に3Dスキャンができ、油絵・水彩、版画や古地図など、貴重品
のデジタル化・レプリカ作成に最適。
・本を断裁するなど原本を破壊することなくスキャンができる。
・原稿台に上向きで資料をセットし、スキャン面の状態を確認しながら作業
を行うことができる。
といった、大きなサイズのものでも非接触・非破壊で高品質にスキャンできるという特長があります。
強みを活かして大きなサイズの図面を高品質にデジタル化
このように、弊社の資料デジタル化は、
・大きなサイズの書面もA1までスキャンが可能
・美術系にも強い画像処理技術を活かし、原稿やスキャン状況に合わせた画像補正が可能
・原稿状況やスキャン後の用途に応じて、最適な機器を選択できるよう設備が充実している
といった点が大きな強みとなっています。
▶ 弊社・能登印刷のデジタルアーカイブ紹介ページはコチラ
今回の「松任中川一政記念美術館」様の大きな図面も当スキャナでスキャンさせていただき、図面17点のデジタル化が完了。保管に取られていたスペースを減少させることができたほか、保存状態を気にすることなく保管できるようになりました。さらに、高品質なデジタル化により、青焼きの図面だったものがより見やすくなりました。
結果、デジタル化をすることにより、
閲覧に手間がかかることなく、保存状態を保ったまま、気軽に目を通すことが可能
となり、お客様にも大変ご満足いただけました。
図面や貴重な資料の「デジタルアーカイブ」化はお任せください
弊社では製造業の設計図だけでなく、図書館や博物館などの希少価値の高い文書、掛け軸や絵図、屏風などの文化財のデジタル化の実績も多数ございます。「デジタル化したいけど、貴重な資料なので何となく気が引けてしまい、手をつけられていない」という場合も、責任を持って厳重に保管し、丁寧にスキャニング・データ化させていただきます。
▶ 弊社・ナレッジクライマー(能登印刷)デジタルアーカイブ詳細・料金について
また「歴史的な本や資料の保管場所に困り、最終的に捨ててしまい、あとで記念誌を作ろうとしても資料がない」というケースも多くお聞きします。
「保管ができないので捨てようか迷っている」という方、お待ちください! 長い歴史を積み重ねた大事な足跡を「デジタル化」して遺していきませんか? どんなご要望もまずはお気軽にお問い合わせください。
制作:向江幸子(能登印刷 制作本部 文書情報管理士)
クライアント:松任中川一政記念美術館 様
※ 会社名・部署名などは取材および記事制作当時のものになります。
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